line(ライン)グループのいじめを苦にした中学生・高校生の自殺事件が後を絶ちません。
中学生・高校生のお子さんをお持ちの方は
「うちの子がlineのいじめにあっていたらどうしよう・・・」
と思われることもあるのではないでしょうか。
今回は、lineグループという閉ざされたSNSの世界での集団いじめの実態、きっかけ、対策や相談先などについてまとめてみました。
lineグループ内での集団いじめの特徴
現在は、中学生以上のお子さんがいれば、スマホを買い与えている家庭も多いと思います。
スマホを持たせることで、いつでも連絡が取れるため安心ですし、防犯にも繋がるというメリットがあります。
その一方で、スマホのlineというSNSを使ったいじめが急増するという問題が起こっています。
ターゲットになるとグループ内でのいじめが始まり、被害者はスマホ恐怖症にも陥ります。
これまでのいじめは、クラスで仲間はずれになるなど、周りからばれやすいものでした。
しかし、lineグループ内での集団いじめは、その中で完結してしまうため、周囲が気付きにくいという特徴があります。
また、lineグループ内でのいじめは、直接、加害者から暴力を振るわれたり、暴言を吐かれたりするわけではありませんが、被害者が受ける精神的なダメージは相当大きなものなのです。
lineグループ内でのいじめのきっかけ
lineグループ内で、いじめが始まるきっかけは、主に2つのタイプがあります。
いじめが目的でグループに入れる
1つめは、最初から、いじめるという目的で被害者をグループに招待し、仲間に入れるというタイプです。
最初はlineグループで普通に会話をしているのですが、突然に悪口を言い始めたり、学校で撮影した恥ずかしい写真を載せたりなどします。
そのようにして、被害者の反応を見ながら、加害者達はいじめを楽しむのです。
既読スルーをきっかけにいじめが始まるケースも
もう1つは、既読スルーしたのをきっかけにいじめられるというケースです。
lineはメール機能を簡略化したコミュニケーションツールのため、対面と変わらないリアルタイムな会話が可能です。
逆に言えば、24時間いつでも会話ができるので、返信を忘れてしまうこともあります。
lineではメッセージを読むと既読マークがつくため、メッセージを読んだのに返信をしていないと相手にバレてしまいます。
メッセージを読んだのに返信をしないことを「既読スルー」と言い、相手側からすると会話を無視されたと感じてしまいます。
その結果、無視されたという理由でいじめの対象になってしまうのです。
lineグループ内での壮絶ないじめの実態・その内容は?
lineグループ内でのいじめの内容はどのようなものがあるのでしょうか。
実例をいくつか挙げてみました。
- 悪口を書いて、ターゲットを不安にさせる
- 嘘の書き込みをして、ターゲットを精神的に追い込む
- いじめられている写真をlineに載せて、集団で画像を楽しむ
- line上で遊ぶ約束をして、当日誰も来ない
- 手が滑ったと言い、一時的にグループから外して、その間に全員で悪口を書きこむ
- lineトークで「~してこい」と命令する
- ターゲットが寝た後に、永遠と悪口を書きこむ
- すぐに返信しないと「無視された」と言われ、仲間外れにされる
- アイコン画像をみんなで使いまわし、ターゲットを馬鹿にする
- 裏グループを作り、そこでターゲットの悪口やいじめ方を話し合う
コミュニケーションツール上でのいじめであり、手段は限られているように思えますが、実際には無限とも言えるほど、いじめる方法は存在するのです。
学校で直接いじめられる場合とは違い、line上には文字や画像が残ります。
加害者との関係を絶たない限り、被害者は文字などを何度も目にすることになります。
lineトークの内容がひどいほど、被害者は深く傷ついていくのです。
lineいじめが急増している理由
lineグループ内でのいじめは、物を盗む、落書きをする、暴力をふるうなどの「従来のいじめ」とは違い、他人にばれるリスクが低いです。
教室内で集団いじめをすれば、誰かが教職員に教えたり、現場を教職員が見るかもしれません。
しかし、グループに入っていなければ、lineトークの内容を知る方法はないため、事件化しないと第三者は全貌を把握できないのです。
また従来のいじめは、学校でだけ被害者はいじめっ子から監視されていました。
心境に変化が起きれば、帰宅後、親に相談して対策を考えることも難しくはなかったでしょう。
ところがlineによって、帰宅後にもいじめっ子からの監視が続きます。
スマホの普及により、今まで以上にいじめから逃げられなくなったわけです。
lineを利用した集団いじめ対策
まずはいじめの実態を把握すること
lineを利用した集団いじめの対策法として、まずは親が実態を把握することが大切です。
親の世代が学生の頃にはlineは存在しなかっため、今の学生がどのような使い方をしているか知らないのは当然のことです。
まずは、自分自身でlineでお子さんとコミュニケーションをとるなど、使いこなしていったり、お子さんに友達とどのような会話をしているのか聞いたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。
もし、お子さんが、lineでの友達とのやりとりについての話を極端に嫌がったり、lineの話をすると激怒したりする場合、いじめに関わっているかもしれません。
その場合は、無理やり聞き出そうとするのではなく、最近報道されたlineいじめによる自殺などの話題を出し、lineを利用したいじめが被害者に与える精神的なダメージの大きさや、絶対に許されないことであるということを話しましょう。
そして、お子さんが万一lineでいじめの被害にあっていたら、全力で助けるということも伝えましょう。
lineなどのSNSやネットいじめの相談先
lineグループ内でいじめの被害にあっている事実が発覚した場合、直接、加害者に抗議したり、学校に相談したりする前に、公的な相談先に相談することをおすすめします。
SNSやネット上のいじめは社会問題にもなっているため、政府や法務省も対策に力を入れていて、無料で相談できる窓口もあります。
まずは公的な窓口に連絡して、今後の対策について相談しましょう。
lineグループのいじめの実態・きっかけや対策まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、lineグループという閉ざされたSNSの世界での集団いじめの実態、きっかけ、対策や相談先などについてまとめてみました。
lineなどのSNSは便利なコミュニケーションツールですが、文章でのやり取りなので、意思疎通が十分に行えないことによる人間関係のトラブルに発展しやすいというデメリットもあります。
lineに不慣れな親世代は、子供のためにも「lineいじめ」の実態について理解し、子供が被害にあったときには全力で助けることを伝えておくことが大切です。