「子供が太り気味なので、いじめにあわないか心配」

「肥満児はいじめの被害者になりやすいって本当?」

「痩せる以外にもいじめを回避する方法はある?」

今回はそんな疑問をお持ちの方に向けて、太っている子供がいじめにあう可能性や対策などをまとめてみました。

太り気味の子供がいじめにあう理由

子供は社会経験や人生経験を積んでいないため、ストレートに感じたことを言葉に出してしまいがちです。

そのため容姿が原因のいじめは多く、太っている子供も「デブ」「ブタ」などと、本人が傷つく言葉を浴びせられてしまうことがあります。

他にも

  • 運動神経を馬鹿にされる
  • 見た目や動作を笑われる
  • 太っているせいで汗っかきと言われる
  • 体を動かすことを強要させられる

などのいじめにあう可能性もあります。

太っている人が多い環境ではいじめられる可能性は低い

ただし、太っているからといって必ずいじめにあうとは限りません。

文部科学省の調査によると、太り気味の子供はここ30年間で2~3倍に増えているそうです。

小学生~高校生の約1割(10人に1人)が肥満傾向にあるそうです。

このように日本では、肥満児は増えているので、クラスの中心人物が太っていれば、いじめっ子は「デブ」などの悪口を気軽に言えません。

もしも、太っていることで特定の同級生がいじめられていたら、中心人物が助けることも考えられます。

担任の先生が太っている場合も一緒です。

肥満を連想させる悪口やあだ名、運動等の強要を見つけたら、自分のことのように注意するかもしれません。

見た目の親近感から、先生が太っている子供と仲が良ければ、いじめっ子も手が出せないでしょう。

そして、肥満児が多い地域もあります。

太っている子供がクラスに何人もいれば、周りとの差が生まれにくく、太っているだけでいじめられる可能性も低くなります。

いじめ対策の基本はダイエット

太っていることが原因となるいじめに対する一番手っ取り早い解決策はやはりダイエットではないでしょうか。

特に、本人が太っていることを気にしていたり、太っているせいで自分に自信が持てなくなっていたりする場合はダイエットをおすすめします。

ダイエットといっても、成長期の子供が無理な食事制限をしてはいけません。

タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養バランスが整った食事を1日3食しっかり食べることを基本としましょう。

寝る前3時間は食事をとらない、お菓子はなるべく控えるということを徹底するだけでも自然と痩せていくと思います。

特に、ポテトチップス、菓子パン、カップラーメン、ファーストフードは太る原因となるので、できるだけ控えましょう。

肥満児は将来、生活習慣病になるリスクも高いと言われていますし、最近は肥満児が糖尿病や睡眠時無呼吸症候群(睡眠障害)、ホルモン異常症、脳腫瘍などの病気にかかるケースもあるようです。

健康のためにも今のうちから健康的な食生活の習慣をつけておくことはおすすめです。

また、子供でもストレスが原因で太っているケースもあります。

水泳やテニスなどのスポーツ系の習い事は、カロリーも消費できますし、体を動かすことでストレス発散にもなるのでおすすめです。

痩せる以外のいじめ対策

ダイエットは一番手っ取り早いいじめ対策ですが、必ず痩せなければいけないいうわけではありません。

太っていることも個性の一つだし、太り気味でも健康的な生活を送れていて、本人が気にしていないようなら、無理に痩せる必要はないかもしれません。

そこで痩せる以外のいじめ対策をご紹介します。

親同士で意見交換(会話)をする

子供も含めて、人間は他者からの情報に大きく影響を受けます。

本人が情報を与えるより信憑性が高く、いじめっ子はその情報を基に行動を見つめ直すからです。

例えば、ただ太っているだけの男の子と柔道を習っているため体格が良い男の子を比べてみましょう。

どちらも見た目は肥満児でも、柔道を習っていることをいじめっ子が知れば、怒らせないために悪口は止めようと思うでしょう。

この違いは「柔道経験者」という情報を与えたか否かです。

また、親同士の仲が良ければ、いじめっ子は自分の親から関係性を聞かされるでしょう。

そうなると、いじめがバレるかもしれない、親が気付いているかもしれないと思うはずです。

この心理が「いじめの抑制」に繋がるため、子供ではなく親からアクションを起こすことも大切なのです。

年上の人間と仲良くさせる

学生時代、年上の異性とお付き合いしているクラスメイトはいませんでしたか?

恋人がいることにも驚いたでしょうが、年上の人間との繋がりに「こいつ凄い」と思ったはずです。

また部活を通じて、先輩と仲の良い子もいたはずです。

兄姉がいると関係性も繋がりやすく、こうした「年上」「先輩」の存在はいじめっ子にとって不安要素となり得ます。

「こいつをいじめたら先輩が出てくるかもしれない」という、心理的圧力が加わるからです。

そこで、地域で募集しているボランティア活動やサークル、先輩との関わりが深いクラブ活動に参加させましょう。

ボランティア活動には、自然環境保護や社会福祉、募金の呼びかけ、ボーイスカウト(ガールスカウト)などがあります。

一般の学生では経験できない思い出を作れますし、仮にいじめ被害に遭っても「年上に相談できる場」が得られます。

クラブ活動は、主にスポーツ関係ですね。

先輩と知り合えるだけでなく、そのスポーツを通じて「肥満」そのものを解消できるかもしれません。

親の経験談を子供に聞かせる

お子さんが太っている原因は、親にあるかもしれません。

例えば、親が以下の食生活を送っていれば、子供も同じ環境を過ごしているはずです。

・肉料理や甘い物が好き
・運動が嫌い、食べたらすぐ横になる
・咀嚼回数が少なく、食べるスピードが早い
・お菓子が好きで、間食の回数が多い

つまり、親子ともに肥満体かもしれません。

そこで、親のどちらかでも昔から太っていたなら、学生時代の思い出を話してあげてはどうでしょうか?

いじめられないための方法、いじめられた時に実践した方法、誰に頼ったのかなど、役立つ情報を子供に教えてあげられるはずです。

昔話を通じて会話が増え、親子関係が今以上に深まるかもしれませんよね。

気軽に話ができる関係性を築ければ、いじめ被害が悪化した時でも隠さずに打ち明けてくれるでしょう。

太っている子供がいじめにあう可能性や対策まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、肥満児や太り気味の子供がいじめにあう可能性や対策についてまとめてみました。

本人が、太っている自覚がない場合、どのように太っていることを伝えるか、ダイエットさせるかの言葉選びにも注意したいところです。

10歳前後から思春期・反抗期に差し掛かるので、伝え方次第で親子関係が崩壊しかねません。

お子さんのための行動が本人を傷付ける場合もあるので、本人の気持ちを考慮しつつ、無理のない範囲で対策をしていきましょう。

【参考URL】

小児肥満と小児メタボ(メタボリックシンドロームネット)