「子供が突然学校に行きたがらなくなって学校を休んでいるけど、もしかして学校でいじめられてるの?」

「学校に行きたくない理由を聞いても、別に・・・なんとなく・・など要領を得ない答えしか返ってこない」

そんな状況に直面して、どうしていいかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、子供が突然学校に行きたがらなくなった場合に原因を聞く方法やいじめの可能性などについてまとめてみました。

子供が学校に行きたがらない原因を聞く方法

子供が突然「学校に行きたくない」と言い出した場合、いじめられている可能性は十分に考えられます。

しかし、いじめられていた場合でも、子供は本音を親に伝えることはしないでしょう。

「親を心配させる」「恥ずかしい」「いじめが悪化する」と子供ながらに思うからです。

これは小学生でも、高校生でも一緒です。

年齢が上がるほど、プライドが邪魔をしますので、余計に原因を教えてくれないでしょう。

そこでおすすめなのは「学校でいじめられているの?」と聞くのではなく、「最近嫌なことはあった?」と質問してみることです。

漠然とした質問ですが、まずは話をするキッカケ作りに専念すべきです。

誰だって、いきなり核心に迫る質問を直接投げかけられたら、身構えてしまい、拒絶反応を示しますからね。

「最近嫌なことはあった?」という漠然とした質問を投げかけることで、「●●くんに、ひどいことを言われた」などと思い当たることを話しやすくなり、最終的にいじめを打ち明けてくれるかもしれません。

また、いじめ以外の悩みを抱えていたなら、解決に向けて話し合えば良いのです。

学校に行きたがらないのはいじめが原因?

いじめは現在も増加傾向

いじめによる自殺などのニュースは後を絶ちませんが、日本では悪質ないじめの増加が問題になっており、学校や地方自治体でも様々な対策に取り組んでいます。

その結果、平成6年から平成18年にかけては、いじめの認知件数も大幅に減りました。

ところが平成20年以降、認知件数は減るどころか急増しているのです。

だから子供が学校に行きたがらない原因がいじめという可能性は大いに考えられます。

最近ではメディアでも取り上げることが多く、過剰に反応してしまう親もいらっしゃいます。

それでは、学校に行きたくない「本当の原因」は何なのでしょうか?

学校生活の中でのいじめの実態は?

学校生活の中で発生しているいじめとは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

具体的ないじめの例を分類表にまとめてみました。

心理的ないじめ ・悪口、陰口、脅し、冷やかし
・無視、仲間はずれ、集団無視
・SNSやLINEを使った誹謗中傷
・噂の拡散
・陰湿なあだ名をつけられる
・顔や衣類への落書き
身体的ないじめ ・叩かれる、殴られる、蹴られる
・格闘技ごっこ(プロレスや空手など)
・恐怖遊び(高い場所から飛び降りるなど)
悪質ないじめ ・お金を要求される
・所有物を盗まれる、捨てられる、隠される
・性的嫌がらせ、裸にされたり恥ずかしい格好をさせられる

子供のいじめはエスカレートしやすく、ちょっとした悪口や仲間はずれから始まり、金銭を要求されたり、皆の前で裸にさせられたりなど、悪質ないじめに発展するケースも珍しくはありません。

悪口を言われたり仲間はずれにされたりするだけなら、まだ耐えられたとしても、悪質ないじめに遭っていた場合は学校に行きたがらないのは当然ですよね。

「うちの子に限って・・」親がいじめに気づかない理由

平成28年度の「いじめ認知件数」は、小学校で約23万8千件、中学校で約7万件、高等学校で約1万3千件でした。

年齢が上がるほど件数は減っているように見えますが、計画的にいじめているとも考えられるでしょう。

そもそも認知件数であり、被害者はもっと大勢いるのです。

いじめを知った親の多くが、「まさか、うちの子が?」と思うかもしれません。

どうして肉親が気づけないのかと言うと、客観的に子供を見れていないからです。

家族全員が太っているなら、子供が周りと比べて肥満児でも気にならないはずです。

しかし、肥満が原因で学校では「デブ」「豚」と悪口を言われているかもしれませんね。

正義感に溢れた子供であれば、悪いことを見過ごせずに不良グループを注意して、暴力や恐喝被害を受けるかもしれません。

不良グループが関わってくると、仲間からの助けも期待できず、いつの間にか仲間はずれとなるケースもあります。

「他人の子」と思って我が子を見た際、あなたの子供はいじめられる要素を持っているでしょうか?

前述した「いじめの主な種類」と照らし合わせながら確認してみてください。

学校に行きたがらない子供への正しい対処法

学校に行きたがらない原因を解明するまでは、次のような対応は出来るだけ避けてください。

・学校に付いて行ってあげる
・早く行きなさいと文句を言う
・お金がもったいないと愚痴をこぼす
・先生に相談すると言う
・いじめられているのかと聞く
・父親に報告すると言う
・兄弟姉妹や他の子と比較する

説教や命令、忠告、注意、脅迫、非難、侮辱などをしてしまうと、親子関係が破綻し、子供の人格形成にも悪い影響を与えます。

いじめが原因の場合、子供にとって学校は危険な場所でしかありません。

だから休みたいと言うのです。

しかし、唯一、自分が安心できる自分の居場所である家でさえくつろぐことができなくなったら、子供はどのように思うでしょう。

行動力がある子供なら、急に家出をするかもしれません。

また、精神的に追い詰められた子供は、自ら命を絶つ恐れがあります。

どちらにしても後悔しか生みません。

子供が学校に行きたがらずに理由を聞いても答えないときは、まずは家を安心してくつろげる場所にしてあげることが一番大切です。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、子供が突然学校に行きたがらなくなった場合に原因を聞く方法やいじめの可能性などについてまとめてみました。

子供の頃、学校に行きたくないと思ったことが一度もないという方はあまりいないのではないでしょうか。

学校を休んだからといって、人生が終わるわけではないのです。

発想を転換して「我が子を深く知る良い機会だ」と気持ちを切り替えてみてはいかがでしょうか。

参考URL

平成28 年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(PDF:文部科学省)

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