「ADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供はいじめられやすいって聞いたけど本当?」
「ADHDが原因でいじめられている場合の対策は?」
今回はそのような疑問をお持ちの方に向けて、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴、いじめられる原因、親ができる対策方法などについてまとめてみました。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴
最近、アスペルガー症候群と同じくらい注目を浴びている発達障害が「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」。
その症状から、周囲に「超ワガママ」「過度なマイペース」「自己中心的」な人間だと勘違いされがちです。
結果、クラスで孤立してしまうかもしれません。
「忘れっぽい」「言うことを聞かない」ことで、親さえ子育てに苦労するはずです。
正しく接してあげないと、将来の社会生活にまで影響を及ぼすので、早期発見と抑制に取り組みましょう。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴をあげてみました。
- 不注意
集中力が途切れやすく、物を忘れたり、紛失したりします。簡単なミスをしがちで、計画的に物事を処理できず、興味のあることだけに熱中してしまうのです。 - 多動性
落ち着きがなく、じっとしていることが苦手です。目的のない動きをしたり、突発的に騒ぎ始めたりもします。
集団生活においても、周囲の目を気にせず身勝手な行動を取るため、危ない人間だと思われることもあるでしょう。 - 不注意と多動性を混合症状
遠回しな表現ができない、人の話を最後まで聞けない、複数の作業を同時に行えないといった特徴があります。
1つのことに執着しがちで、欲しい物があると激しくダダをこねたり、同級生と奪い合ったりします。
注意欠陥・多動性障害という名称から分かるように、ADHDではない人なら「日常生活でコントールしていること」を上手く調節できないのです。
ADHDの子供がいじめられる原因
ADHDの子供は以下のようなことから、いじめの対象になる可能性があります。
・授業中に教室内を歩いたり、走り始める
・授業中に机を叩いたり、貧乏ゆすりを始める
・黙っているべき場所で、突然大声を出す
・挙動不審にあたりをキョロキョロ見回す
・相手の話を最後まで聞かず、自分のペースで喋り始めてしまう
・思ったことを口に出してしまう
・相手が傷つくかを考えず、直接的な言葉を投げかける
・欲しい物を同級生と奪い合う、喧嘩をする
・テストで名前を書き忘れるなど、簡単なミスが治らない
・必要な物を忘れたり、借りた物を失くす
・友達との約束を守れない
・興味のないことを頼まれると、忘れてしまう
・一旦集中し始めると、次のことに上手く切り替えられない
・時間がたっぷりあっても宿題が終わらない、その宿題を提出し忘れる
・イライラを抑えられず、怒りを爆発させてしまう
・些細なことで大きく落ち込み、他のことに集中できない
・順番が守れず、列に割り込んでしまう
もしかしたら、あなたも授業中に突然走り回る生徒と同じ時間を過ごしていたかもしれません。
大人になると、ADHD(注意欠陥・多動性障害)に分類される症状を見ても、そういうものだと納得できるはずです。
ただし10代の学生からすると、走り回ったり、大声を出したり、人が傷つく言葉を使ったり、感情をコントロールできない様子は、恐怖でしかありません。
そういう子だと理解していても、物事を忘れたり、順番を守れなかったり、会話が成り立たなければ、友達になりたいとは思えないでしょう。
思春期を迎えた学生は、相手の態度や行動に過剰反応を見せがちなので、お子さんが村八分を受けないように配慮すべきです。
ADHDの子供をいじめから守るための対策方法は?
まずは具体的に「指示」することから始めてください。
症状が重い場合は、言葉よりも絵で伝えた方が効果的なケースもあります。
なぜなら、ADHDの子供は説明されたことの「意図」を推測することができません。
「宿題をしなさい」「部屋を片付けなさい」と言われても、どうしてやらなくてはいけないのかが分からないのです。
そのため、「なぜ」「いつまでに」「どうやって」「何をすべきか」を1つずつ指示してあげましょう。
計画を立てて物事に取り組む能力が乏しいため、こうした訓練を続けることで自分なりのルールや方法論が確立していきます。
できなかった時も叱りつけるのではなく、現段階では難しかったと「指示の出し方」「違う解決策の模索」を考えるべきです。
学校側もADHDを含む発達障害のお子さんを理解するため、教職員が関連セミナーや講習会に参加している場合があります。
そのような学校なら、差別的な扱いを受ける割合も低いと言えますので、発達障害に前向きな学校かどうかを調べることも重要です。
また、2016年4月1日には「障害者差別解消法」が施行されました。
これは身体障害や知的障害、発達障害の子供も、平等な学校生活を送れるように配慮されたルールです。
通常学級でも教職員から細かい対応を行ってもらえますので、症状の度合いを担任に伝えておくと良いです。
その上で、どのような学校生活を送ることが、いじめ回避や本人の幸せに繋がるのか決めるようにしましょう。
ADHDなどの発達障害は、目には見えない障害なので、周囲の協力が必要と言えます。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)が原因でいじめられる理由と対策まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回はADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴、いじめられる原因、親ができる対策方法などについてまとめてみました。
お子さんが発達障害だからといって悲観的になることはありません。
トーマス・エジソン(発明家)やベンジャミン・フランクリン(政治家)、ジョン・F・ケネディ(政治家)、坂本龍馬(志士)もADHDだったのではと言われています。
芸能人の中にも学生時代、ADHDで辛い思いをしている人がいます。
お子さんができるだけ辛い思いをしないようしっかりサポートしてあげましょう。