「中学生の時にいじめられたトラウマが大人になってもなかなか消えない」

「10年以上前に受けた壮絶ないじめを思い出して眠れなくなることがある」

「過去にいじめられた経験による対人恐怖症で仕事が続かず引きこもりになってしまった」

このように、過去に受けたいじめによるトラウマ・心的外傷後ストレス障害(PTSD)に長い間、悩まされている方は多いようです。

今回は、過去のいじめによる心の後遺症・心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状、いじめの後遺症による対人恐怖症や引きこもり、いじめのトラウマの克服方法について、まとめてみました。

いじめによるトラウマ・心的外傷後ストレス障害(PTSD)

日本で一番多い心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因はいじめ?

心的外傷後ストレス障害(PTSD:Post Traumatic Stress Disorder)は、突然の事故や犯罪行為などにより強い精神的ダメージを受けたことが原因で、心身に支障をきたし、社会生活にも影響を及ぼすストレス障害を引き起こす精神的な後遺症のことです。

PTSDの原因はさまざまですが、一般的には、地震や火事などの災害、交通事故、戦争やテロ、虐待や強姦などの犯罪行為などがきっかけになると言われています。

悪質ないじめの被害者は身体的・精神的に深いダメージを受けることも多いため、いじめがきっかけでPTSDを発症するケースも多いのです。

日本は世界でもトップレベルの治安の良い国と言われていて、テロや強姦などの被害に遭う方は少ないのですが、学校でいじめを受けた経験がある人は多く、日本で一番多いPTSDの原因はいじめ被害ではないかとも言われています。

何年も続くいじめの記憶のフラッシュバック

PTSDの典型的な症状の一つに、フラッシュバック(追体験)があります。

寝る前や一人でいるときなどに、過去にいじめられた時の体験や感情がリアルに頭の中に浮かび上がってしまうのです。

いじめられていたのはもう何年も前のことだし、きれいさっぱり忘れたいのに、二度と思い出したくない恐怖体験が何度も何度も繰り返し思い出されてしまうというのは本人にとっては非常に苦痛なことです。

壮絶ないじめにあっていた方の中には、めまい、吐き気、錯乱、動悸、失神などを伴うパニック障害に悩まされている方もいらっしゃいます。

いじめの後遺症で対人恐怖症や引きこもりになる場合も多い

いじめ被害者が対人恐怖症になるのは無理がないこと

過去に壮絶ないじめにあっていた経験がある方の中には、人の視線が異常に気になってしまったり、人間不信に陥ったりする方も多いです。

過去に同級生から「キモイ」「バイキン」「デブ」「ブス」など心ない悪口を言われたことがあると、他人の視線が気になり、何も言われなくても「本当はキモイって思われてるかも・・・」と不安になるのは無理のないことだと思います。

また、殴る蹴るなどの暴行や裸にされるなどの悪質ないじめを受けた経験があれば、人と接すること自体が怖くなり対人恐怖症になるのは当然のことではないでしょうか。

社会不安障害・引きこもりの原因となる場合も多い

過去にいじめを受けた経験により、社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)になることも多いと言われています。

社会不安障害の症状は、人前に出ると緊張して手に汗をかいたり、他人から見られることによって筋肉がこわばったり、心拍数が上がったりするというものです。

社会不安障害になると、仕事がうまくいなくなることが多いため、出社できなくなり、そのまま引きこもりになってしまうケースも多いです。

いじめから数年後に自殺するケースも

過去にいじめを受けた方の中には、いじめから何年か経ってから自殺してしまう方もいらっしゃいます。

2011年には、中学時代にいじめられ、4年後に自殺した女子生徒について、名古屋地裁が中学の賠償責任を認めた判決が出て、世間の注目を集めました。

いじめの影響が長期的に続くという研究報告

いじめが将来の健康に影響するという研究報告

2014年3月に、米国小児科学会(AAP)は、いじめを受けた経験による精神的・身体的影響は長く持続し、将来の健康にまで影響し得ることを示す研究結果を発表しました。

この研究では、児童4,297人を5年生、7年生(中学1年に相当)、10年生(高校1年に相当)の3時点で調査し、いずれの時点でも全てのいじめが精神的・身体的な健康の悪化、うつ症状の増加、自尊心の低下と関連することを明らかにしています。

さらに、健康に対する影響については、いじめが終わった後も時間が経つにつれ蓄積して長期的な影響を及ぼすとのことです。

小児期のいじめの影響が45歳まで持続するという研究報告

さらに、2014年4月には、米国精神医学会(APA)が小児期のいじめの影響が45歳まで持続することを示した研究結果を発表しています。

この研究は、7~11歳にいじめを受けた被験者と23~50歳に心理的疾患を持つ被験者7,700人以上を対象として行われました。

この研究では、小児期にいじめを受けた被験者は、45歳の時点で不安や自殺念慮・自殺企図を生じる確率が高いことが明らかになりました。

さらに独身で孤立していることが多く、生活の満足度も低いという結果が示されています。

いじめの後遺症・トラウマを克服する方法は?

心療内科や精神科を受診する

このように被害者の将来に大きな影響を及ぼすいじめのトラウマを克服する方法はないのでしょうか?

まず思いつくのは、心療内科や精神科を受診することだと思います。

心療内科や精神科などの専門機関で適切な治療を受けることにより回復することもあるでしょう。

自立支援医療や心身障害者医療費助成制度などを利用すると、金銭的な負担も軽減されます

ただし、うつ病などと診断されて薬を処方されると、一時的には症状が回復したように感じても、さらに悪化してしまうケースもあるので、薬物療法をメインとしている精神科の治療はあまりおすすめできません。

「ひきこもりデイケア」を利用する

思春期・青年期の精神病理学を専門とし、ひきこもり診療の世界的な第一人者としても知られる精神科医の斎藤環先生は、病院を訪れたいじめ被害の後遺症に悩む方に対して、治療可能な病気であることを必ず伝えているそうです。

斎藤先生によると、いじめ被害の後遺症に対する一番の治療法は同世代との新しい良好な人間関係を築くことだとのことです。

同世代の集団の中でいじめを受けたことにより深く心を傷つけられたことによるトラウマは、同世代との新しい良好な人間関係で上書きしていくことが最大の治療法ということです。

斎藤先生が過去に診療部長を務めていた医療法人社団爽風会「あしたの風クリニック」では、1980年代からひきこもりに対する外来・入院治療を行い、1998年からは世界初の「ひきこもりデイケア」を実施して、着実に成果を上げているそうです。

「ひきこもりデイケア」の主な目的は、安全な出会いとコミュニケーションの機会を提供することにより、親密な仲間関係の経験と、社会参加の契機をもたらすことです。

過去のいじめのトラウマを抱えていたり、長期間ひきこもり状態が続いていたりする方でも、デイケアに参加するうちに、少しずつ他者と関わることに慣れていき、対人スキルが向上して、会社などの集団社会で必要とされるコミュニケーション能力が磨かれていくそうです。

社会復帰に必要な能力が身に付き、自信が持てるようになるため、希望していた職に就くことができる人も多いようです。

あしたの風クリニックの「ひきこもりデイケア」について詳しく知りたい方は公式サイトをチェックしてみてください。

>>>医療法人社団爽風会「あしたの風クリニック」公式サイトはこちら

手軽に受けられるヒーリングやPTSDの症状に関する相談も

精神科や自立支援施設に行くのはちょっと・・・という方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方には、自宅で手軽に受けられる専門的な心理カウンセリングやスピリチュアルカウンセリングなどのオンラインサービスが充実している「ココナラ」がおすすめです。

ココナラには、過去のトラウマやPTSDを克服するためのサービスもたくさんあります。

例えば、最新の心理療法FAPで心の傷や症状を解消では、FAP療法の専門資格を持つカウンセラーが、一人ひとりの相談内容を丁寧に分析して、心的外傷後ストレス障害(トラウマ・PTSD)、パニック障害、強迫障害、対人緊張、抑うつ感、恐怖心、不安感などを解消する方法を教えてもらえるそうです。

FAP療法は2000年に治療体系が確立された新しい心理療法で、一般のカウンセリングよりも短期間で治療することを目的として研究開発されたそうです。

過去の苦しい思い出に触れずに短期に効果的に治療できるため、本人にとって負担が少ないことが特徴です。

また、セルフセラピーでトラウマをすっきり消すイメージ法(書くワークシート付き)では、プロの占い師・ヒーラー・心理カウンセラーとして活動中の先生から、心理学・ヒーリングに独自の手法を用いたオリジナルのトラウマ解消法を教えてもらえます。

ココナラには、他にもPTSD専門カウンセリングや過去の心の傷を解消するセラピーなどのサービスがたくさんあります。

どのサービスも自宅からオンラインで利用できますし、料金も手頃なので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

>>>ココナラのPTSD関連のサービスを見てみる

過去に受けたいじめによるトラウマ・PTSD・克服方法まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、過去のいじめによる心の後遺症・心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状、いじめの後遺症による対人恐怖症や引きこもり、いじめのトラウマの克服方法などをご紹介しました。

いじめのトラウマに長い間苦しめられている方は、本当に辛い思いをされてきたと思います。

ですが、精神科医の斎藤環先生がおっしゃるとおり、過去に受けたいじめのトラウマを克服することは可能です。

自分らしい希望に満ちた人生を歩むために最初の一歩を踏み出してみてください。

【参考URL】

PTSD(心的外傷後ストレス障害) – 杉浦こころのクリニック

斎藤環さんに聞く「治癒できる『いじめ後遺症』」 – ビリオメディア特集:朝日新聞デジタル

いじめの影響、長期的に持続 【米国小児科学会】(m3.com)

いじめの影響、中年期まで持続 【米国精神医学会】(m3.com)

社会的ひきこもり – 医療法人社団爽風会あしたの風クリニック

自立支援医療制度の概要 – 厚生労働省公式サイト

 

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