「登校拒否の子供を無理やり学校に行かせても大丈夫?」
「不登校が続くと引きこもりになりそうだし、なんとか学校に行かせたいけどどうすればいい?」
今回は、そんな悩みをお持ちの方に向けて、登校拒否の子供を無理やり学校に行かせることの是非についてまとめてみました。
登校拒否・不登校の理由は?
子供に理由を聞いても要領を得ない返答ばかり
登校拒否の子供に、学校に行きたくない理由を聞いても、「別に・・・」「なんとなくイヤだから・・」など要領を得ない答えしか返ってこない。
そんな状況に直面して、どうしていいかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「学校に行くことが子供の義務だ!」と、叱りつける親も少なくありません。
たしかに、日本では小学校、中学校は義務教育ですし、学費もタダではないので、そう言いたくなる気持ちはわかります。
登校拒否が原因で、家に引きこもりがちで、ニート状態になられても困りますからね。
しかし、お子さんがどうして学校に行きたがらないのか、登校拒否の本当の理由について、親として考えてみたことはありますか?
理由がわからないと根本的な解決にはならない
登校拒否をなんとか解決したいあまり、「どうすれば学校に行かせられるか」という直接的な方法しか考えられないという方もいらっしゃるようです。
学校に行かせるために朝無理やり起こす、友達に迎えに来てもらう、先生に電話してもらうなど。
そのため、「どうして学校に行きたくないか」という大事な部分を飛ばしてしまうわけです。
しかし、登校拒否の本当の理由がわからない限り、一旦は学校に行くようになっても再発する可能性が高いと言えます。
子供のためを思って、無理やり学校に行かせようとしていたなら、「どうして?」の部分を特定することから始めることが大切です。
不登校の子供を無理やり学校に行かせるのはNG
小学生から高校生の子供は、感情の起伏が激しく、身体的な変化が起こる年齢でもあります。
些細な出来事で傷つき、怒りを覚え、ストレスを感じるのです。
もしも多感な時期に、自分の考えとは違う意見を押し付けられれば、登校拒否やひきこもりでは済まなくなります。
小学生の場合
未熟なため、自分の抱えている問題を上手く表現できない場合も多いです。
そのため、親からの「説教」「命令」によって過度のストレスを受け、不安障害やパニック障害、統合失調症、心身症などの心の病気を患うこともあります。
親の態度や環境が変わらなければ、学校を卒業した後も症状は続きます。
思春期の頃に発症した精神疾患で苦しんでいる大人もいるため、それだけ厄介な後遺症と言えるはずです。
中学生の場合
身体的に大人へと近づく時期です。
我が子と分かっていても、急に暴れ出したら父親でも止められないかもしれません。
自宅内の物を壊し始めたり、男子ならば親や他人に暴力をふるう可能性もあります。
この流れが加速して、家庭内暴力に発展すると、手の施しようがなくなる危険性もあります。
高校生の場合
身体的に大人と変わらないため、無理やり学校に行かせることは困難です。
アルバイトをすればお金を稼げる年齢なので、行動力があるお子さんなら急に家出をするかもしれません。
女子なら現実逃避のために、出会い系サイトを利用したり、売春を始めたりする可能性も考えられます。
最悪の場合、自傷行為や自殺に発展する場合も
登校拒否の本当の理由が、いじめ被害にあっていることだった場合、無理やり学校に行かせるということは危険な場所に行くことを強要していることになります。
学校ではいじめ被害に遭い、家では強制的に登校させられるような状況では、子供は自分の居場所がないと感じてしまいます。
自分が安心して過ごせる場所がないと感じて精神的に追い詰められてしまった場合、その延長線上には、自傷行為や自殺という最悪の結末が待っているのです。
もし、登校拒否の原因が不明のまま、無理やり学校に行かせようとしていたならば、今すぐ止めましょう。
親が子供の将来を左右する、取り返しのつかない引き金を引くことになってしまう危険性もあるからです。
登校拒否の理由を特定する方法
登校拒否の本当の理由を知る1番手っ取り早い方法として
・本人に聞く
・友達に聞く
・担任の先生に聞く
などがあります。
お子さんが打ち明けてくれれば、親子関係も崩壊していませんので、解決に向けて動き出せるでしょう。
友達や先生から何かしらの情報を得られれば、遠回しに解決することもできます。
仲の良い友達に助けてもらうと、円滑に事が運ぶかもしれませんね。
上記3つから、一切手掛かりを得られないようなら、第三者に頼るしかありません。
・NPOや都道府県の相談センター
・メンタルクリニック
・探偵事務所
相談センターでは、登校拒否の対策や子供との接し方などを教えてもらえます。
メンタルクリニックは心理カウンセリングを施す場所ですが、お子さんによっては登校拒否の理由を、自分でも分かっていなかったりします。
そういう場合には、深層心理から悩みを解決していくと良いでしょう。
また探偵事務所に調査を依頼することで、いじめの実態や恐喝、暴力など有無が明らかになり、十分な証拠を得ることもできます。
こうした問題は親に打ち明けることも難しく、協力してくれる味方も少ないため、「自力で解決=不登校」となりやすいです。
子供が学校に行かない原因が両親にある場合も?
最後に、あなたご自身に問題はないのか、確認してみましょう。
・夫婦関係は良好ですか?
・教育方針が明らかに他家族とは違っていませんか?
・子供と会話をしていますか?
意外にも子供は、親の細かな点まで見ています。
夫婦喧嘩が絶えない家庭なら、その怒鳴り声を聞いて不安感を抱き、人間不信に陥るでしょう。
共働き世帯であれば、自分だけ母親お手製の弁当がなく、菓子パンが食事という状況に耐えられなくなったのかもしれません。
その他にも各家族ならではの問題により、「親の注意をひく」「親を困らせてやろう」という気持ちから登校拒否を始めたとも考えられます。
毎年、文部科学省からは「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」などの統計が発表されています。
この中には、不登校や長期欠席者の「そうなった原因」を記す項目があります。
それによると、「家庭に係る状況」の割合がとても高いのです。
登校拒否は子供ではなく、親の責任かもしれませんので、叱るより先に自分たちに原因がないのか確認してみてください。