「うちの子供、いじめにあっているかもしれない・・・本人に聞いても何も言わないけど、どうすればいい?」

「中学生の息子が学校でいじめられているみたいだけど、親としてどんな対応をするべき?」

「娘が学校に行きたがらないのは、いじめられているから?」

当サイトでは、そんな疑問や不安を抱えているお母様、お父様に向けて、子供のいじめ問題について親が知っておきたいことや正しい対処方法などをまとめてご紹介したいと思います。

子供のいじめについて親が知っておきたいこと

日本のクラス制度はいじめの温床

日本では小学校から高校まで、ほとんどの学校で1年間同じクラスで同じメンバーと過ごすクラス制度が採用されています。

1年間同じクラスという閉鎖的な集団社会で過ごすため、一度いじめのターゲットになると、被害者は加害者達とは毎日顔を合わせることになり、いじめは次第にエスカレートしていきます。

日本のクラス制度は、いじめ研究の第一人者として知られる社会学者の森田洋司氏が提唱した「いじめの4層構造」を生みやすい環境なのです。

参考記事:【いじめの4層構造】被害者、加害者、観衆、傍観者とは

そのため、日本では、小学生から高校生までの子供たちが、いじめを苦に自殺するという事件が後を絶ちません。

思春期のお子さんをお持ちのお母様、お父様は、いじめ事件の報道を聞くたび、心を痛めると同時に我が子がそんな目に遭わないことを切に願っているのではないでしょうか。

子供はいじめられても親には言わない

親が子供のいじめ問題について大前提として認識しておきたいのは、

子供はいじめの被害にあっていても、親に言うことはほとんどない

ということです。

ほとんどのいじめは先生や親の目の届かない場所で行われます。

そして、多くの場合、加害者達は集団でターゲットの子供をいじめ、

「担任や親にチクったら、ひどい目に合わせるからな!」

などと脅しています。

そのため、いじめの被害に遭っている子供は親や先生に、いじめの事実を伝えることができないのです。

また、いじめられていることを恥ずかしく思い、親に知られたくないと思う子供もいます。

参考記事:子供がいじめを親に言わない理由・いじめられているサインを見逃さないためには?

いじめは悪化すると子供だけでは解決できない

「子供同士の問題に親が口出しするのはどうかと思う」

「もう中学生なんだし、自分の問題は自分で解決させないと」

などと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに、子供同士の些細なケンカに親が割り込んでいくのはどうかと思いますよね。

ですが、いじめは子供同士の些細な揉め事とは違います。

いじめがエスカレートした場合、子供の力だけ解決するのは不可能です。

放置すると子供の将来に大きな影響を及ぼす危険性も

お子さんが現在のクラスでいじめにあっていたとしても、

「次のクラス替えまで我慢すれば自然といじめがなくなるのでは?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに、いじめは特定の集団の中で行われるため、進級してクラス替えをした時点で終わる可能性は高いです。

ただし、いじめの被害者の精神的なダメージは想像以上に大きく、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に長い間苦しむ方も少なくありません。

対人恐怖症になり、社会生活が送れなくなるケースもありますし、いじめから数年後に自殺された方もいらっしゃいます。

参考記事:過去のいじめのトラウマが消えない!いじめによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の克服法は?

子供の将来のためにも、できるだけ早く対処することが大切なのです。

子供のいじめに対して親や教師がやりがちなNG行動

子供のいじめに親や教師が中途半端に介入するのは危険

できるだけ早く対処するといっても、大人が中途半端に介入するのは非常に危険です。

お子さんがいじめらていることを知った時、まず思いつくのは担任の先生に相談することだと思います。

その後、よくある流れとしては、学校側で緊急会議が開かれて、担当の職員が聴き取り調査を行うなどの対応をすることです。

その結果、いじめが発覚した場合に学校側が行う解決策は、一般的に、加害者に反省文を書かせて謝罪させたり、停学処分にしたりすることです。

このような解決策では、いじめを根本的に解決することはできません。

その後、いじめ加害者達は「おまえ、チクったな!!」などと激怒して、さらにいじめがエスカレートして、被害者を自殺に追い込むこともあるのです。

子供だけで解決させようとするのはNG

我が子がいじめられていることを知った親が、

「やられたらやり返せ!」

「いじめられるお前にも問題があるんじゃないか?」

などと言ってしまうこともよくあるパターンです。

いじめられている子供は大人のこのような発言を聞くと、絶望的な気持ちになってしまいます。

ほとんどの場合、いじめ被害者が悪いのではなく、外見が目立つ、なんとなく生意気、単純に気に食わないなどの理由で、いじめのターゲットにされてしまうことを知っておきましょう。

学校にいきたがらない子供を無理やり学校に行かせるのは絶対にダメ

いじめの被害者にとって、学校は非常に危険な場所です。

みんなの前で無理やり裸にされたり、集団で殴る蹴るなどの暴行を加えられたり、大人だったら強制わいせつ罪や傷害罪で逮捕されるようなことが平然と行われているのです。

日本国憲法で守られているはずの基本的な人権さえ守られない無法地帯に大切なお子さんを放り込むようなことをしてはいけません。

親が子供をいじめから守るためにやるべき5つのこと

いじめの実態を把握する

親が子供をいじめから守るためにはどうすればいいのでしょうか。

まずは、我が子が本当にいじめられているのか、いじめられていることがはっきりした場合は誰からどのようないじめにあっているのか実態をできるだけ正確に把握することです。

子供が必死で隠していたり、話したがらなかったりする場合、実態を把握するのは難しいかもしれません。

そのような場合、いじめ問題に力を入れている探偵事務所に相談するのも一つの方法です。

例えば、日本最大規模の探偵事務所として知られる原一探偵事務所は、豊富な実績に裏付けられた独自の調査技術とノウハウを生かした、いじめ調査に力を入れています。

加害者に気づかれずに、いじめの実態を調査し、証拠をしっかり押さえることができるため、学校や教育委員会に相談する際にも有利になります。

いじめの問題を学校や教育委員会と話し合う際には、いじめの証拠を掴むことは大切です。

証拠がなければ、加害者側から「ただの遊びだった」「ちょっとふざけただけ」などと言われて、終結してしまうこともあるのです。

確固たる証拠を押さえることができれば、加害者に慰謝料や損害賠償を求めるような場合にも役に立ちます。

原一探偵事務所は、問題が再発しないための丁寧なアフターケアにも定評があるので、子供がいじめにあっているか調査するだけではなく、二度といじめにあわないような対策をしたいという方にはおすすめです。

原一探偵事務所のいじめ調査について詳しく知りたい方は公式サイトをチェックしてみてください。

チェック⇒ 原一探偵事務所の公式サイトでいじめ調査の詳細を見てみる

安心してくつろげる居場所を確保する

子供が学校に行きたがらない場合は、無理に行かせようとせずに、自宅で安心して過ごせるように配慮してあげましょう。

学校ではいじめられて、家では学校に行かないことを責められるのでは、自分の居場所がないと感じてしまいます。

学校に行かないことへの罪悪感をできるだけ感じさせないように、親がしっかり配慮してあげることが大切です。

転校を検討する

いじめの根本的な解決策は加害者と被害者を引き離すことです。

そのためにも転校という手段をとることは、いじめの解決策として非常に効果的なのです。

転校するためには引っ越しが必要だと思われるかもしれませんが、学区外(校区外)通学の手続きをすることで、引っ越さずに転校することも可能です。

ただし、最終的に転校するかどうかは子供自身に決断してもらうことが大切です。

「いじめからは夢を持って逃げましょう」の著者で聖徳大学自動学部教授の長野雅弘氏は、著書の中で、

「夢を持って逃げる」という選択肢を子供に選んでもらうように誘導する

引用元:「いじめからは夢を持って逃げましょう」

ことが大切だと述べています。

また、転校先の学校は慎重に選びましょう。

いじめの被害者を積極的に受け入れている学校もあります。

たとえば、全国に50校展開している第一学院高等学校では、いじめや不登校などで高校を中退した生徒の編入や転校を随時受け入れて、一人ひとりの状況や興味・関心、希望の進路などに合わせた教育を行っています。

参考記事:いじめで転校するのは逃げ?転校先でもいじめにあう可能性は?

原因があるならできるだけ取り除く

本人に備わっている要因によりいじめられている場合は、環境が変わっても再びいじめのターゲットになってしまう場合もあります。

例えば、ワキガ体質の子供は環境が変わっても、誰かがニオイに気づいた時点で「あの子、クサイ!」と言われてしまい、いじめの対象となってしまうことも多いようです。

原因が明確でかつ対策が可能な場合は、いじめられる原因をできるだけ取り除いてあげましょう。

その際は、本人が傷つかないように配慮しながら対処することが大切です。

学校以外にも世界があることを伝える

2017年11月19日に放送されたTBS系教養バラエティー番組「林先生が驚く初耳学!」で林修氏が、「小中学校の友人なんてクソみたいなもの」と宣言し、波紋を呼びました。

実はこれ、「PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)」に編集者の中川淳一郎氏が「”小中学校の友人”なんてクソみたいなもの」というタイトルで起稿した記事に対して、林先生が共感したという内容だったのですが、実際に中川氏の記事を読んだ後に林先生の発言を聞いた私は「林先生、よくぞテレビでこのような発言をしてくれましたね!」と思いました。

中川氏が本当に伝えたかったのは、現在、いじめの被害に苦しんでいる小学生、中学生に対して、「大人になれば、学生時代の友達と会う機会はほとんどない人が多いのが現実だし、人間関係は自由に選択できるようになる」という事実なのです。

こちらは中川淳一郎氏の記事の一部を抜粋したものです。

確かに9年は長い。しかし、その後の人生を考えるとそれほど長くない。「長いけど、長くない」というヘンな言い回しになったが、ここで強調したいのは「長い人生のなかで、大して重要ではない小中学校の人間関係など、クソみたいなもの。そう思って、軽く扱っても何ら問題ない」という事実だ。それを、子どもたちにちゃんと教えてあげてもよいのではなかろうか。もちろん、学校で良好な人間関係を築いているのであれば、それはそれで素晴らしい。でも、学校内での人間関係が人生のすべてではないし、未来に絶望する必要もない、という点だけは子どもにきちんと伝えるべきである。

引用元:“小中学校の友人”なんてクソみたいなもの(PRESIDENT Online)

いじめの温床と言われるクラス制度の中で否応なしに過ごさなければいけない小学生から中学生の9年間は、いじめの被害に遭っている当事者から見ると、非常に長くて出口の見えない暗いトンネルのように思えます。

しかし、大人になってみれば、この9年間の間のクラス制度の中で築いた人間関係はそれほど重要ではない場合も多いのです。

この事実は、大人になってしまえば当たり前のことですが、現在、小学生~高校生の方達はまだ人生経験が少ないため、現在、所属しているクラス内での人間関係が人生の大きなウエイトを占めていように思えてしまうのです。

狭くて閉鎖的な世界に生きているために、いじめの被害者たちは絶望的な気持ちになり、自ら死を選んでしまうのです。

だからこそ、「大人になれば付き合う人や自分の居場所は自分で自由に選択できる」ということを伝えることは、子供にとって一番身近な大人である親の大切な役目なのではないでしょうか。

学校以外の世界を経験させて子供の才能を伸ばす

いじめ被害に遭うと自分に自信が持てなくなることもあります。

自信を取り戻すためには、習い事や地域のボランティア活動などに参加して、学校以外の世界を体験させてあげることが効果的です。

子供の個性や才能を伸ばせるような習い事をさせてあげることで、自分に自信が持てるようになります。

どんな習い事をさせていいかわからないという場合、空手、合気道、剣道など心身ともに鍛えられるような格闘技を習わせるというのもおすすめです。

子供のいじめ問題・親ができること・するべきことまとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

子供のいじめ問題について親が知っておきたいことや正しい対処方法などをまとめてご紹介しました。

いじめは子供たちの閉鎖的な社会で行われるものですが、自分の子供が悪質ないじめに遭っている場合、親が適切な対応をすることは非常に大切です。

適切な対応というのは、子供が二度といじめに遭わずに、将来に希望を持って伸び伸びと生活できる環境を整えてあげることです。

そのためには、いじめに真っ向から立ち向かうよりも、転校して新しい環境に身を置く方が適切な場合も多いのです。

「子供がいじめにあっていて、なんとかしてあげたいけど、どうすればいいかわからない」

「登校拒否している子供がいじめにあっている可能性があるけど、本当にいじめられているのかわからない」

という方はまずはどのような対応をするべきなのか専門機関に相談してみてもよいでしょう。

こちらの記事では、いじめ問題の相談先をまとめてご紹介していますので、参考にしてみてください。

【いじめの相談先一覧】学校の先生に相談しても解決しない場合の相談先

【参考書籍・URL】

緊急出版 いじめ少年犯罪に宣戦布告―史上最強の告発マニュアル(プレスプラン編集部)

いじめサインの見抜き方(加納寛子著、金剛出版)

“小中学校の友人”なんてクソみたいなもの(PRESIDENT Online)

いじめからは夢を持って逃げましょう!(長野雅弘著、パンローリング)