警察への捜索願を出せるのは誰?家族以外でもOK?

家族以外の捜索願い-イメージ

「同居中の友人が突然失踪したから捜索願を出したいけど、捜索願って家族以外でも出せるの?」

「会社の同僚が失踪して行方不明になった場合、職場の人間が捜索願を出したら警察で受理してもらえる?」

「離婚した元夫(妻)が行方不明に!別居していても捜索願は出せる?」

「家賃を滞納している人が夜逃げした場合や結婚詐欺師が失踪した場合など、利害関係がある場合は捜索願は出せる?」

そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、警察に捜索願を出すことができる人の条件について、説明します。

家族以外でも警察に捜索願を出すことは可能

1976年に警視庁が定めた「家出人発見活動要綱」では、捜索願を正式に提出する資格があるのは、親族、後見人、施設管理者など、ごく一部の身内に限定されていました。

しかし、核家族化や単身者の増加などにより規定を見直す必要が生じたことから、2009年に、親族以外の恋人や知人、勤務先の関係者など行方不明者本人と密接な関係を持つ人も捜索願を提出できるように規定が改定されました。

国家公安委員会により定められた「行方不明者発見活動に関する規則」の第二章「行方不明者届の受理等」には、「行方不明者届の受理」として以下のように定められています。

第六条  行方不明者が行方不明となった時におけるその住所又は居所を管轄する警察署長は、次に掲げる者から行方不明者に係る届出(以下「行方不明者届」という。)を受理するものとする。
一  行方不明者の親権を行う者又は後見人(後見人が法人の場合においては、当該法人の代表者その他当該法人において行方不明者の後見の事務に従事する者)
二  行方不明者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)その他の親族
三  行方不明者を現に監護する者
四  福祉事務所(社会福祉法 (昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。)の職員その他の行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
五  前各号に掲げる者のほか、行方不明者の同居者、雇主その他の当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者

引用元:「行方不明者発見活動に関する規則」

一番最後に記載されている「行方不明者の同居者、雇主その他の当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者」というのは定義として曖昧ですよね。

家族以外でも捜索願を出せるという解釈はできますが、最終的な判断は捜索願の提出先の警察署の判断に委ねられることになります。

同居中の友達、同棲相手は捜索願を出すことは可能?

同居中の友達、同棲相手の場合、毎日の生活を共にしているので「当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者」に該当すると考えて、まず問題ないと思います。

本人が失踪したことに一番早く気付くのも同居・同棲している人のはずです。

同居中の友人、籍は入れていないけど同棲している彼氏・彼女が行方不明になったら、迷わずに警察署に捜索願を出しましょう。

離婚後、別居している元夫・元妻の捜索願は警察で却下される可能性も!

離婚した後、別居している元旦那や元嫁が行方不明なので捜索願を出したいという場合もあるかもしれません。

この場合、同居中の友人や同棲中の恋人よりも密接な関係のようにも思えますが、警察署では警戒される可能性があります。

それは、2009年に捜索願を出せる人を、親族以外の恋人や知人、勤務先の関係者などに広げる改定が行われた以降、ドメスティックバイオレンス(DV)やストーカーなどの加害者が、行方不明になった被害者を捜すために捜索願を悪用するケースが多発したという歴史的な背景があるからです。

離婚して別居しているということは、相手に居場所を知られたくないと思っている可能性もあります。

行方不明になった本人が捜索願の不受理届を出している場合は、捜索願は受け付けてもらえません。

参考記事:捜索願を捜索対象の本人が拒否するための不受理届

また、捜索願自体は受理されたとしても、行方不明になっている本人の意思に反して、居場所を教えてもらうことはできません。

大手Q&Aサイト「教えて!goo」には、殴り合いのケンカ後に家出した元嫁さん(離婚後も同居)の捜索願を警察に出しに行ったけど、居場所を教えてもらえなかったという体験談が投稿されていました。

3週間前に離婚してをしているけど共同生活している元嫁と些細な事から子供の目の前で殴り合いの喧嘩になり、怒りの収まらない元嫁は3人の子供を連れて出て行き、何日か帰って来ないので心配になり捜索願を警察に出しに行ったら元嫁からは既に警察は保護要請を受けているので居場所は教えれないと言われました。

引用元:教えて!goo(http://oshiete.goo.ne.jp/qa/9312593.html)

「保護要請」というのは、2014年に配偶者間の暴力の防止と被害者保護を目的に施行された「改正ドメスティックバイオレンス(DV)防止法」の保護命令制度に基づくものだと思われます。

保護命令制度では、DV等の加害者に対して、被害者への接近禁止命令、電話等禁止命令などが出されるため、被害者と直接会って話し合うことも難しくなります。

失踪した職場の同僚の捜索願は出せる?

職場の同僚が失踪した時に、会社の上司や同僚が捜索願を出したいという場合もあるかもしれません。

「行方不明者発見活動に関する規則」の第二章「行方不明者届の受理等」には「雇主その他の当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者」とあるので、会社の上司や同僚も該当するのではないかと思われる方もいらっしゃると思います。

ですが、この規定の「密接な関係を有する者」というのは、万一、死亡していた場合に遺体を引き取れるくらい家族に近い存在かという基準で判断されるようです。

行方不明になった方が住み込みで働いていて、捜索願を出そうとする人と家族同然の付き合いをしていたという場合は認められる可能性が高いですが、一般的な企業が、社員が家出・失踪して行方不明だからといって捜索願(行方不明者届)を出した場合は受理されないケースが多いようです。

受理されない場合、行方不明者の家族、または同居人など家族に近い存在の人にお願いして、捜索願を出してもらうことが望ましいでしょう。

ただし、家族との関係が疎遠な場合など、現実的には難しい場合もあると思います。

そのような場合は、探偵事務所に捜索を依頼するのも一つの方法です。

探偵事務所では、警察とは違い、行方不明になった社員の捜索の依頼も受け付けています。

当サイトでは、行方不明者捜索を得意とする大手探偵事務所の原一探偵事務所総合探偵社MRの行方不明者捜索部門に取材をさせていただきましたが、どちらでも企業などから行方不明になった従業員の捜索を依頼されるケースは増えているという話を伺いました。

夜逃げした人・結婚詐欺師など利害関係のある人の捜索願は?

家賃を何カ月も滞納したあげく夜逃げした人を捜すため、婚活パーティーなどで出会って高額なお金を貸したのに突然行方不明になってしまった結婚詐欺師の捜索願を出したいという方もいらっしゃるかもしれません。

「利害関係があるので捜索願を受理してもらるのでは?」と考えるのが普通かもしれませんが、残念ながらこの場合は警察に捜索願を出しても捜してもらえない可能性が高いです。

警察はお金の貸し借りなどのり犯罪に関わらない民事事件については介入しないという「民事不介入」と呼ばれる古くからの慣行に従う場合が多いからのようです。

大手Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」には、2年ほど前にアパートを夜逃げ同然で退去したという方から、「普通の管理会社さんは何年前であろうと夜逃げしたものを探すものか?」という質問が投稿されていました。

その投稿に対して、以下のような回答がありました。

その管理会社の担当者、家主の性質によります。
粘着質な家主や管理会社なら、経理上は貸し倒れとして処理しても、しつこく追っかけてくるでしょう。
私も追っかけます。
こまめに住民票は取得していますので、住民票の移動があれば、すぐにその住所地へとんでいきます。
保証人がいれば保証人、あなたの家族や友達、職場、手に入れることのできるありとあらゆるところへ聞き込みにいきます。
探偵に依頼することもありますよ。

引用元:Yahoo!知恵袋(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1164151166)

この方の場合は、住民票の移動を追ったり、夜逃げした人の保証人や家族に聞き込みに行ったり、探偵に依頼したりして、捜索しているようですね。

探偵事務所では、このような借金絡みのケースや大金を騙しとって行方をくらませた詐欺師の捜索依頼も引き受けてもらえます。

探偵業の中でも難易度が高い行方不明捜索の分野で解決件数8万件以上という圧倒的な実績を誇る原一探偵事務所では、TBSの「実録!犯罪列島」という番組からの依頼で、証拠が少なく難しい案件の捜索を何度も成功させた実績があります。

参考記事:犯罪列島2017で結婚詐欺師を原一探偵事務所が追跡!

捜索願が出せない・受理されない場合の捜索方法は?

警察で捜索願(行方不明者届)を受理してもらえない場合や、捜索願を出しても一般行方不明者と判断されて、積極的に捜索してもらえない場合はどうやって捜索するのが一番確実なのでしょうか?

やはり、一番確実で成功率が高い捜索方法は、行方不明者捜索を得意とする探偵事務所に依頼することだと思います。

ただし、中には悪徳な探偵事務所も存在しますし、行方不明者の捜索は探偵業の中でも難易度が高いため、得意としている探偵社は限られています。

料金が安いからという理由で個人の探偵事務所に依頼することはおすすめできません。

行方不明者・失踪者のプロとしての条件を満たす探偵事務所についてはこちらの記事にまとめていますので、参考にしてみてください。

参考記事:家出人・失踪人捜索のプロによる無料相談が受けられる探偵事務所一覧

*当サイトでは探偵事務所は探偵業法を遵守し、公安委員会に探偵業届出証明書を提出している優良な探偵事務所のみを厳選してご紹介しています。当サイトでご紹介している探偵事務所では、探偵業法に違反する調査やDVやストーカー行為につながる調査は一切受け付けていませんので、そのような調査の依頼はご遠慮ください。

参考URL

行方不明者発見活動に関する規則