うつ病が原因で家出・失踪する夫・妻の精神状態
「うつ病の夫や妻が失踪してしまった」、「旦那が会社に行かなくなり、うつ状態で家に引きこもっていたけれど、突然、家族二何も言わずに家出してしまった」などという体験をされる方が増えているようです。
最近は、仕事や育児などの生活の中でのストレスや過労から、うつ病になる人が男女ともに急増しています。
うつ病の場合、家に引きこもるケースが多いのですが、夫や妻から責められたり、本人が「家に居場所がない」「自分はここにいてはいけないんだ」などと感じたりすると、家を出てしまうこともあります。
今回は、うつ病の夫や妻が家出・失踪した時の精神状態や自殺の危険性などについて、まとめてみました。
この記事の目次
30~50代の真面目な夫・妻はうつになりやすい?
出典:警察庁 平成27年中における自殺の状況
真面目で仕事に対して責任感が強い人、几帳面で対人関係に気を配る人は、うつ病になりやすい傾向があると言われています。
警視庁が発表した統計データによると、2015年中の自殺者のうち、うつ病が原因とされた人数は、30代~50代では女性が全体の32%、男性は18%でした。
もともと日本人には真面目な性格の人が多いので、日本人の多くは、うつ病を発症するリスクを抱えていると言えるかもしれません。
働き盛りの夫がうつ病になる原因は?
30代~50代の働き盛りの男性がうつ病を発症するケースが多いのは、会社で責任ある仕事を任されることが多いことも一因かもしれません。
働き盛りの方のうつ病は、過労や職場でのストレスが原因となっている場合が多いと言われています。
また、家庭でも一家の主として、良き夫、父親として責任を果たしたいと思う気持ちがプレッシャーになり、さらにうつ病を悪化させてしまうこともあります。
うつ病になると、「仕事に行かなきゃ」と思えば思うほど、行けなくなってしまい、出社拒否になることもあります。
出社拒否になった場合、真面目な性格の持ち主である旦那さまは、周りの想像を絶するほど、辛い思いを抱えているケースが多いようです。
子育て中の妻がうつ病になる原因は?
女性の場合、仕事や子育てを真面目に頑張っている人ほど、ストレスを抱えて、うつ病を発症する傾向があります。
最近は、出産後も仕事を続けるワーキングマザーも増えていますが、毎日、仕事と家事に追われて、疲れ果てた結果、うつ病に陥ってしまう女性も増えているそうです。
家事も育児も完璧にこなそうと頑張っているのに、自分が理想とするレベルで両立することができずに精神的なストレスが限界に達して、うつ状態になってしまう「スーパーウーマン症候群」と呼ばれる症状を訴える女性も多いそうです。
うつ病になると、今までどおり、家事や育児をこなせなくなるため、夫や周りの人からは、育児放棄していようにも見えるため、責められる場合もあります。
もともと真面目な性格で、家事も育児も完璧にこなして、良き妻、良き母でありたいと願っている本人はダメな自分を責めてしまい、さらにうつの症状が重くなることもあります。
うつ病の症状と精神状態
うつ病はストレスの多い現代人なら誰でもかかる可能性のある病気であるため、「心の風邪」と表現されることもあります。
「心の風邪」というと、簡単に治る病気のようなニュアンスもありますが、治るまでには平均で約3カ月、完全に良くなるまでには半年、1年程度かかると言われています。
うつ病は心の状態に波があり、周りからは元気に見えることもあります。
そのため、周りから理解されずに仮病の疑いをかけられることもあり、それがうつ病の本人をさらに苦しめることになります。
うつ病の兆候としては、「寝つきが悪くなる」、「気分が落ち込む」、「何をやっても楽しくない」などがあります。
症状が進むと、何もやる気が起こらない、いつも憂鬱、食欲がないという状態に陥ります。
ここまで症状が進むと、本人の意思では体を動かしたいと思っていても、体が動かなくなります。
おおさかメンタルヘルスケア研究所附属クリニックの公式サイトには、大切な家族や友人がうつ病にかかっていないかチェックできる客観的な項目が公開されています。
「口数が減った」、「憂鬱そうな表情をしている」、「悲観的な発言が多くなった」など、対象となる人の2週間から1ヶ月間の状態で判断できます。
旦那さまや奥さまが最近元気がないかもしれないなと感じる方はぜひ一度チェックしてみてください。
大切な人のうつ病チェック(おおさかメンタルヘルスケア研究所附属クリニック)
失踪・自殺願望はうつ病の症状の一つ
うつ病による失踪は解離性遁走が原因
職場や家庭から突然失踪し、行き先や目的がはっきりしないまま彷徨うことを「解離性遁走」(かいりせいとんそう)といいます。
解離性遁走は、うつ病の方にもみられる症状で、ストレスの多い環境に対する一種の防衛反応と考えられています。
日常的なことは普通にできるため、周りから見ると異常に気付かれないことが多いのですが、本人は記憶がもうろうとしたまま、気付いたら目的もなく知らない土地にいたということもあるそうです。
うつ病の家出・失踪には自殺の危険性も
うつ病の症状として、精神疾患の専門用語で「希死念慮」、「自殺念慮」と呼ばれる自殺願望がみられることもあります。
うつ病の心理検査として世界的に用いられている「ハミルトンうつ病評価尺度」(HAM-D)では、自殺への気持ちの強さが以下のように定義されています。
- 消極的希死念慮(生きていてもしかたないと考える)
- 積極的希死念慮(事故などで死んでもよいかな等、「死にたい」と考える)
- 自殺念慮(自殺する方法を具体的に考える)
- 自殺企図(実際に自殺行為に至る)
これらの自殺願望は、うつ病の初期からみられるので、旦那さまや奥さまに少しでもうつの傾向を感じたら、身近な家族が注意してあげることが必要です。
自殺しようとするうつ病の方の直前の傾向としては、突然の不安やイライラがあらわれた後、急に明るく元気になったり、身辺整理を始めたりすることがあるそうです。
そのような行動が見られたら要注意です。
過労によるうつ病などの精神疾患は30代が一番多い
出典:NHKニュース
厚生労働省の調べによると、過労でうつ病になる人は30代が一番多く、労災が認められたケースの3割を占めているそうです。
また、2010年1月~2015年3月までの約5年間に、約2千人の方が過労が原因でうつ病などの精神疾患にかかり労災認定されて、そのうち368人は自殺していたそうです。
病気を発症した年齢は、31.6%が30代と最も多く、次が40代(26.6%)、その次が20代(22.4%)でした。
30代というは会社の戦力として上司からキツイ仕事を任されてしまうことが一番多いのかもしれません。
原因は、仕事の内容や仕事量の変化以外にも、職場内でのいじめや嫌がらせ、上司とのトラブルなども挙がったそうです。
「自殺なんてバカなことを・・・」と思ってしまうかもしれませんが、自殺願望は、うつ病の初期からみられる症状の一つでもあるので、本人が本当に望んでいなくても自殺という結果になってしまうこともあるかもしれません。
厚生労働省は、職場のメンタルヘルス対策が重要としていますが、本人の一番近くにいる家族がまずは、うつ病のことを理解して、本人を病院に連れて行ったり、休養させたりなど、積極的にケアすることも大切なのではないでしょうか。
うつ病の夫・妻の家出・失踪を防止するには
うつ病を治すためには十分な休養が必要
うつ病の治療として一番大切なことは、心と体を十分に休養させることだと言われています。
働き盛りの旦那さま、子育て中の奥さまが、やるべきことをしていないからといって、責めたり、イライラしたりするのは厳禁です。
本人が「どこにも居場所がない」、「誰にもわかってもらえない」と感じることで、どんどん自分を追い詰めてしまい、自殺を考えるようになったり、失踪してしまったりすることもあります。
「頑張ってね」という家族からの励ましの言葉も、本人にとっては、良き夫・良き妻としての責任が果たさないと!と、逆にストレスになってしまうこともあります。
うつ病の旦那さまや奥さまを支えるのは、とても大変なことですが、元気を取り戻してもらうためにも、旦那さま・奥さまが心からリラックスして休養できる環境作りを心がけることが大切です。
なるべく温かくそっと見守ってあげるように心がけましょう。
精神科や心療内科は受診するべき?
一般的に、うつ病を治すためには精神科や心療内科に通院することが推奨されているかと思います。
しかし、現在、日本で一般的に行われている抗うつ剤などの薬物療法では、強い副作用に悩まされる方も多く、個人的にはあまりおすすめできません。
実際に、病院やクリニックでうつ病の治療を受けている方の間では「薬の副作用が辛い」とか「薬を飲み続けているけど、うつ症状が改善しない」という声は多いようです。
YSこころのクリニック院長で、”薬を使わない精神科医”として活躍されている宮島賢也先生は、ご自身もうつ病を患い、主治医からは「薬は一生飲み続けるといいよ」と言われたという経験の持ち主です。
宮島先生は、7年もの間、薬を飲み続けたもののうつ病が治る気配はなく、ご自身の患者さんたちもほぼ同じ状況 という現実を目の当たりにして、”うつを薬で治す”ということに強い疑問を抱くようになったそうです 。
宮島先生は何冊か本を執筆されていますが、中でもうつを消し去るために日常の中でできる習慣を紹介している「医者の私が薬を使わず「うつ」を消し去った20の習慣」( 中経出版 )はおすすめです。
ご家族のうつ病について理解を深めたいという方はぜひ一度読んでみていただければと思います。
参考URL:薬を使わない精神科医みやじっち(宮島賢也)のメンタルセラピー
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
最近増えている、夫や妻がうつになり、家出・失踪してしまうというケースについて、考えてみました。
この場合、本人が「自分の居場所がない」と強く感じたり、自分を責めてしまう可能性があるので、非常に危険です。
うつ病の旦那さま・奥さまが家出してしまった場合は、一刻も早く見つけ出してあげることが大切です。
一般的に、うつ病のは男性の方が症状が深刻化しやすく、自殺のリスクが高いと言われていますが、女性の場合も自殺の危険性はあります。
現在、行方不明になってしまったご家族を捜索中の方は、こちらの記事で家出人・失踪人捜索のプロによる無料相談が受けられる探偵事務所一覧をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
家出人・失踪人捜索のプロによる無料相談が受けられる探偵事務所一覧
うつ病を患って3年半の55歳バツイチ二人の娘と実親二人の五人暮らしです。この半年、希死念慮ばかり頭をよぎる毎日です。なかなか家族にも周りの人にも理解して貰えず、たぶん大げさだと思われていると思います。バツイチになって25年、掛け持ち仕事で土日夜中返上で何とか成人に育てました。うつ病の薬の副作用もあり、何をする気力も無く、テレビの音も煩わしく、何とか会社にはムチを打って休みながらも行っています。最近は娘のキツい一言に笑いながらも内心はかなり傷ついてます。本格的に嫌われて疎ましがられる前に死にたくて仕方ないです。自死は怖いので心筋梗塞とかになる為にかなりの塩を内緒で毎日食べてます。日本も安楽死制度が出来たら一番に名乗りたいくらいのところまで思いつめてます。時折、車の運転中にも橋に飛び込んだらどうだろうか?と何度も思います。好きだったカラオケもテレビも食べ歩きも全く興味なくなりました。ただただ、一日も早く死にたい、死ななきゃ行けないよなって思っています。なんか生きる事も、大好きだった仕事もどうでも良くなりました。泣いてくれる人がいるうちに死にたいな。
みっちょんさん、当サイトへのコメントありがとうございます。
掛け持ちの仕事をこなして、二人の娘さんを育てあげたのは本当に立派なことだと思います。
娘さんのキツイ言葉に傷つくというお気持ちはよくわかりますが、すべて本音とは限らないと思うので、言葉のままに受け取らないようにしていただきたいなと思います。
家族は一緒に暮らしていると、距離が近すぎて、お互いの嫌な面が見えて、思ってもいない暴言を吐いてしまうこともあります。
また、嫌なことがあったときに家族に当たり散らしてしまうこともあります。
でも、それはごく普通のことで、どこの家庭にもあることではないでしょうか。
二人の娘さんはきっと心の底ではあなたに深く感謝していると思います。
たとえ今そんな風に思えなかったとしても、ここまで立派に育ててくれたあなたに心から感謝する日がきっとくるはずです。
大好きだった仕事も趣味のカラオケも食べ歩きにも興味が持てなくなってしまったり、「死にたい」と思ってしまったりするのは、うつ病の典型的な症状だと思います。
みっちょんさんは、たくさん頑張りすぎたから、うつ病になってしまったのではないでしょうか?
うつ病には、心と体の休息が必要です。
今はとにかく、心と体を十分に休ませてあげてほしいです。
そして、誰にも大切に思われていないと思うときこそ、自分自身でご自分を大切にしてあげることが大切です。
コメントを読んでいて、みっちょんさんは本来、とても優しくて強い女性なのではないかなと思いました。
きっといつか、大好きだった趣味や仕事をまた心から楽しめる日がきます。
娘さんだって、みっちょんさんに心から感謝していることを自覚する日が必ずくると思いますよ。
だから、今はとにかくご自身を大切にしてあげてほしいです。